カテゴリー「仕事」の記事

2009/07/27

もういいよ

大切な会議が無事終わった。

13時半開始で全て終了したのは、なんと20時近く。

途中、休憩などもあったけれど、ほぼ、ぶっ通しの話し合いは、記録的な長丁場だった。

普通の会議にそんなに時間をかけていたら、明らかにダラダラとした良くない会議だろう。

でも今回の会議は、実に有意義で充実した内容だった。

時間の経つのがあっという間で、まだ話し足りないほど。

無駄な発言、無駄な時間なんて全くなかった。

沢山の課題を抱える一人の子どものために、児童相談所、学校、そしてボクたち児童養護施設職員、総勢11人が集まった今回の会議。

集まったからといって、時間をかけたからといって、ゴールは結局見えてこない。

でも、「このコを何とかしよう」という意識は確実に共有できたと思う。

「意識の共有」や「連携」って意外に難しい。

難しいからこそ、おもしろい。

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児童養護施設職員という仕事は、目の前のコを何とかしようと、一人で抱え込んだって何とかなるもんじゃない。

想いや意欲は大切だけど、それだけではやっていけない仕事である。

いかに自分一人の力だけではどうにも出来ないと、開き直るコト。

他者の意見に耳を傾けるコト。

他者への協力を素直に求めるコト。

学校は・・・児相は・・・○○は・・・と文句を言わないコト。

文句を言うより先に、自分に出来るコトがあるはずだ。

文句ばかり言いながら働いたって良い結果が出る訳がない。

ゴールの見えない話し合いを重ねる度、ボクはこの仕事へのやりがいを感じてしまう。

どうにもならないコトを、どうにかしようと知恵を絞るコト。

大変で根気がいる作業である。

だからこそやりがいを感じる。

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ありがとう。

もういいよ。

ボクは、お腹のコにそう語りかけた。

一年前の今日、2番目の弟たちが付き合い始めた。

今日、4番目の弟が婚約したって聞いた。

弟たち、そして妹たち、おめでとう。

これからも遠くからいつも応援してます。

こんな日が誕生日ってのも最高だと思ったけれど、お腹の赤ちゃんはもっとステキな日を探しているようだ。

たぶん、今日はそらちゃんが朝から発熱して病院に行ってたから・・・それもあって出てこれなかったのかもしれない。

夏風邪なので、明日一日休めば元気になるらしい。

そしたらいよいよ・・・かな。

兄貴であり、父ちゃんであり、夫であり、息子であり、児童養護施設職員であるボク、明日からも頑張ろう。

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2009/04/26

ずぶ濡れウォークの果てに・・・結果編

8年ぶり、40キロコースに挑戦した「やまびこマーチ」。

爽やかで可愛らしい響きの大会なのに、なんでこんなにキツイんだ?

全然、マーチって感じじゃない。

言うならば訓練、それとも修行?!

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Conv0006朝、7時の出発時点で既に降り出していた雨。

結局、最後まで止むことはなかった。

ウィンドブレーカー上下に傘という格好で挑んだボク。

出発1時間もすると、過ちに気付かされるコトに。

いくら念入りに防水スプレーをしたからと言っても、しょせんは「ウィンドブレーカー」。

そっか、「ウィンドブレーカー」って風には強いけど、水には弱いんだ・・・。

Conv0007職場のレインウェアを借りなかったコトを後悔したけど、時すでに遅し。

全身びしょ濡れ、ゴールするまで乾くコトはなかった。

序盤戦、山越えの山道は、未舗装でグチョグチョ状態。

靴は完全に水没していた。

中盤戦、天竜峡までの道は、水たまりだらけ、ってか小川状態。

パンツまでビショビショ、傘を持つ手は冷え切っていた。

後半戦、天竜川沿いの道は、横から吹きまくる風雨で全身を容赦なく濡らされる、まさに嵐状態。

寒さよりも、足の痛みとの闘いだった。

Conv000916時過ぎ、ビショビショの二人は、何とかゴールした。

虹なんて出てなかった。

感動を分かち合う、ドラマみたいなやりとりだってなかった。

でも、二人は確かにゴールした。

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ゴールまでの所要時間は約9時間。

休憩時間とかを考慮しても、8時間は歩き続けた。

雨が降りしきる中、傘を差しながらこれだけ歩き続けるって経験、なかなか出来るもんじゃない。

Conv0013

ゴールまでの歩数は5万9281歩。

消費カロリー2602.8キロカロリー。

我ながらホントによく頑張った。

健次郎もホントよく頑張った。

二人で弱音を吐き、愚痴をこぼし合った9時間。

二人で足を痛めながら歩き続けた9時間。

二人でずぶ濡れになって震えた9時間。

同じ苦しみを共有しながらあれこれ語り合った9時間。

大半がつまらないどうでも良い話だったけど、時々、良い話が出来た。

良い話も聞けた。

長い長い登り坂を登っている時、健次郎がふとこぼした言葉。

さっきあんなに下ってたからなぁ・・・。

その後、再び、黙って歩き続ける健次郎だった。

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人生だって上りあれば下りあり。

天気に恵まれない時だってある。

逃げ出したくなる時だってある。

時には休みながら、時には逃げ出したりしても良い。

でも少しずつ前に歩いていこう。

少しずつ、少しずつで良いからさ。

Conv0012健次郎が施設を巣立っていくその日まで、いや、その先もずっと、一番の理解者であり支援者でいよう。

ボクは改めて、そう思った。

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やまびこマーチ。

終わってみれば、多くの行事の一つに過ぎないのかもしれない。

明日からの生活や進路には、何の影響がないのかもしれない。

でも、今後の人生で、ふと、この日のコトを思い出す時があれば、それでボクは十分だ。

Conv0010お疲れさん。

二人とも。

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2009/04/24

ずぶ濡れウォークの果てに・・・

Conv0002 先日、このブログでも告知した「やまびこマーチ」に、明日、参加予定である。

8年ぶりに挑戦する40キロコース。

Conv0004 山あり坂あり坂あり坂ありという・・・というルートを歩きながら、飯田市内をぐるっと一周する。

しかし、全国から愛好家が集まる伝統の大会だけある。

南アルプスを眺めながら、天竜川の河岸段丘を歩き、りんご畑を抜け、天竜峡を越え、最後は天竜川沿いを歩く・・・

南信州の自然に触れられる、実に素敵なコースである。

ただし、天気が良ければの話~!!!

明日、お出かけ予定だった全国の皆さん、明日の雨は、最強雨男のボクのせいかもしれません。

ゴメンナサイ。

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明日はご存じの通り、全国的に雨雨雨、飯田ももちろん雨。

今日まで天気が良いのに、日曜からは回復しそうなのに・・・、明日だけ雨!

飯田の降水確率は、奇跡の90パーセント!

ボクが計画した行事は雨が降る。

張り切れば張り切るほど雨が降る。

また一つ、雨男としての実績を重ねられそうである。

しかも時間帯ごとの天気予報によると、大会実施に合わせたかのように雨が降りそう。

朝7時のスタート時点では曇り。

つまり大会は実施される。

しかし、徐々に雨が降り出し、昼頃からは強雨。

その後、ゴールまでの一番しんどい時間帯、大雨の中、ひたすら歩き続ける。

実にステキな展開になりそうだ。

一緒に歩く予定である担当の健次郎は、最近、不登校気味。

対人関係が苦手で、生きるコトに不器用な健次郎。

そんな彼に、体を張って付き合うボクの姿を見せるんだ。

もう理屈なんて要らない。

32歳、体力的には下り坂、そんなボクの本気を見せてやる。

逃げずに挑戦するコト、達成するコトの素晴らしさを伝えるんだ。

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土砂降りの中、足を引きずった二人がゴール。

スタートから10時間近く経過していた。

汗だか雨だかもはや分からないけれど、全身ずぶ濡れの二人。

知らない人がみると、親子に見えるんだろうか。

すっかり疲れ果ててはいるけれど、目は輝いている二人。

みんぺ~ちゃん、オレ、やったよ。

色々上手くいかないコトもあるけれど、頑張れる気がしてきた。

一緒に歩いてくれてありがと。

これからも面倒かけるけど・・・まぁよろしく頼むよ。

照れながら、そうつぶやく健次郎だった。

一息ついていると、雨はあがり、そんな二人を祝福するように、大きな虹が出る。

あっ、虹・・・。

そんなドラマの様な展開になるコトを願いつつ・・・。

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Conv0003追伸。

22時現在、飯田の降雨確率、午前90%、午後100%に上昇・・・(+o+)

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2009/03/29

手作り弁当

親子が一緒に暮らせて、時間を共有できて、思い出を重ねていける。

確かにそれが一番だけれど、色んな事情でそれが出来ない場合もある。

一緒に暮らすコトがベストでない親子だっている。

「児童養護施設職員」という職に就き、様々な家族に出会い、様々な現実に直面してきた。

その都度、ボクは思う。

血のつながらないボクに、いったい何が出来るんだろう。

ボクが何をしたら、目の前のコは幸せになれるんだろう。

ボクの仕事は、子どもが幸せになれる様に、必要な力添えをするコト。

だからこそ、まずは自分が幸せでなければいけないと思っている。

人生を楽しまなきゃいけないと思っている。

もちろん上手くいくコトばかりじゃないんだけど。

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先日の夜勤前、ボクが担当している兄弟を連れて、少しばかり遠出してきた。

母親と、10年近く離れて暮らしてきたその兄弟。

数年前に再会を果たした。

色んな想いが込められた、その時の母親の涙が忘れられない。

その後、少しずつ母子の関係を調整し、年に数回は面会できるようになった。

諸事情あり、母子が一緒に暮らせる日はこの先もきっとない。

そんな事情がありながらも、母親は、今できる精一杯のコトをしてくれている。

母親自身の生活も大変なのに、息子たちを想い、精一杯のコトをしてくれる。

生まれて初めて食べた「お母さんの手作り弁当」。

Conv0006「美味しい」とか、そんな言葉では言い表せない味だったに違いない。

美味しそうに食べる兄弟の姿を見て、ボクはほんわかと幸せな想いでいっぱいになった。

年度末の疲れなんて吹っ飛んだ。

きっと母親もそんな想いだったに違いない。

忙しい中、精一杯の愛情を届けて下さった母親には、心から感謝している。

時には人に頼りながら、甘えながら、無理せず、焦らず、歩いていきましょう。

皆が幸せになれるよう、ボクは頑張ります。

美味しいお弁当、本当にありがとうございました。

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2009/03/13

空も飛べるはず

ボクが担当している健次郎が中学に入学し、1年が経とうとしている。

1年前に想像していた通り、決して平坦ではなく、「山」あり「谷」ありの中学校生活。

色んな専門家と連携をとって支援しているものの、「彼」を理解するコトは容易くない。

想像していた以上に「谷」は深く、谷底で、ボクは悩み、落ち込むコトもあった。

でも、想像していた以上に「山」も高く、山頂で、ボクは、この仕事のやりがいを何度も感じた。

そんな沢山の「谷」や「山」を、彼と共に越えてきた1年間。

そろそろ一年を振り返ろうとしていたこの時期。

最後に、こんなにも大きな山が待っていたとは・・・。

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本日、中学校では「3年生を送る会」が開かれた。

保護者には公開していない行事だけれど、特別に見学させてもらうコトに。

会では、学年ごとに歌を合唱するのだけど、なんと健次郎が学年合唱の伴奏者に選ばれていた。

合唱曲はスピッツの「空も飛べるはず」。

確かに彼はピアノが上手だけれど、伴奏となればまた別の話。

もちろん一人での伴奏なんて初体験。

大勢の歌声に合わせてピアノを弾くなんて経験もない。

楽譜は基本的に読めないし、曲は耳で聴き、手の動きを見て覚えてきた。

そんな彼が伴奏者として選出されたのは、ほんの1か月ほど前のコト。

ピアノを習っていて上手なコは、他にも沢山いたに違いない。

無謀にも思える今回の人選は、ある種の賭けの様にも思われた。

それからの日々、彼なりに練習を重ね、何とか形にはなってきた。

でも、直前に迫った大きなプレッシャーに耐え切れず、先週末に体調を崩し、一昨日まで学校を休んでいた彼。

気持ちは痛いほど分かったし、「やめちゃって良いよ」って言ってあげたいとも思った。

でも自分に自信を持てない彼が、大きな自信を手に入れられるかもしれない。

こんなチャンスはない。

昨日、夜勤あけだったボクは、緊張で押しつぶされそうになり登校を渋っていた彼を、何とか励まし、学校に送り出した。

もちろん欠席していた数日間は、一切練習していない。

そんな彼が迎えた今日の本番。

自分のコトの様に心配し、緊張しながら体育館の後ろの方に立つボク。

静かなピアノの音色が体育館に鳴り響き始めた・・・。

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最後に待っていた、大きな大きな山の頂からの景色。

Conv0001涙でぼやけてよく見えなかったけれど、最高にキレイだった。

そして最高に素晴らしい伴奏だった。

ありがとう、健次郎。

そして、これからもよろしく。

彼が施設を巣立っていくその日まで、どんな試練だって乗り越えていこうと、ボクは改めて心に誓った。

「児童養護施設職員」は大変だけれど、やっぱりやりがいのある素晴らしい仕事。

明日は施設の送別会。

健次郎にピアノを教えた職員も、今月で退職予定になっている。

沢山の想いを込めて弾く、健次郎のピアノ演奏。

明日はどんな音色を奏でるんだろう。

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2008/12/08

親子レクの今昔

先日、中学校の親子レクに行ってきた。

現在、中一と中二のコを担当しているので、それぞれのクラスのレクに、二週連続での参加だった。

この仕事を始めた頃は、「親子」でないのに「親子レク」に参加するコトに、何となく引っ掛かっていたボク。

ボク自身がどうこうではなくて、子どもはどう思うんだろって。

いや、実際はボク自身が、周りの目を気にしていたんだろう。

どこか開き直れないボクがいた気がする。

とは言え、どこの家庭も親が参加している中、自分んトコだけ「施設の職員」、というのは多少なりとも気になるはず。

てか、親子レクに参加するのは、ほとんどが母親なので、男であるだけで目立ってしまう。

父親の親子レク参加率は、極めて低いのが現状の様だ。

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この仕事を始めて8年目になる。

当時小1だった担当のコは、中学2年まで成長した。

ボクもまた、経験を重ねて、今では自然体で「親子レク」に参加できる様になっている。

年齢的なものもあるだろう。

当時、24歳だったボク。

周りの保護者は明らかに世代が上で、ボクは一人浮いていた。

自分自身、年を重ね、子を持つ親になったってコトも大きい。

今でも年齢的には、まだ周りより若いとはいえ、だいぶ「お父さん」っぽくなってきたはず。

仕事での「子育て」に、真剣に向き合える様にもなった。

周りの目なんて気にしてられない。

何より、勤務時間外に参加するからには、ボクも楽しみたいと思っている。

もちろん今でも、子どもが「参加したくない」と言えば、気持ちを理解し、無理強いはしない様にしているけれど。

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さて、最近の「親子レク」事情、自分の頃とは随分違ってきたみたい。

小学校時代は、昔も年1~2回のレクがあった気もする。

それは今も変わらない。

小学校の親子レクの雰囲気は、昔も今もそれなりに和やかで、親の参加率は高い。

変わったのは、中学校の親子レク。

ボクが中学生だった頃は、親子レクなんかあったっけ?といった感じだけど、今は年に一回、必ずある。

地域性や学校ごとの違いもあるだろう。

ボクが通ったのは、青森県弘前市の学校なので、比較対象はしにくい。

とにかく長野県飯田市の、施設がある学区の中学校は、親子レクが盛ん。

そして、お母さんたちの参加率が妙に高く、子どもたちも割と楽しそうに参加する。

中学生ってこんな感じだったっけかな~って思う。

市の体育指導員を招いて、保護者と子どもが一緒になってのレク。

それなりに盛り上がり、最後は合唱発表。

長野県民は合唱好きなんだろうか、とにかく色んな機会に合唱を聞かせてくれる。

それとも、最近の中学校はどこもそう?

自分自身、思春期真っただ中だった中学時代なんて、親が学校行事に来るコト自体イヤだったし、合唱なんて真面目に取り組めなかった。

そんなのやってられるか!!!

親なんてうっとおし~!!!

思春期バンザイ・・・(^_^;)

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でも、大人になったボクは思う。

親が学校行事に参加しないよりは、参加した方が良い。

せっかくやるんだから、盛り上がらないよりは、盛り上がった方が良い。

子どもたちが嫌々、不機嫌そうに参加するよりは、楽しそうに参加できる方が良い。

それを思うと、消極的な生徒も何人かいるけれど、全体的には盛り上がっている、この学校の「親子レク」はすごいのかもしれない。

他の地域、他の学校の「親子レク」事情は、どんな感じなんだろう?

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そらちゃんもいずれ、小学生になり中学生になる日が来る。

その頃は、親子レクってどんな雰囲気になっているんだろう。

ボクは、我が子の親子レクに、「父親」としてちゃんと参加しているんだろうか。

それとも、年頃の女の子は、母親の参加を望むものなんだろうか。

何より、公私ともに学校行事がある、というボクの近い将来、上手い具合に両立できるのか?

当然、大切な行事が同じ日に・・・という事態も起きてくるに違いない。

まぁ何とかするしかないし、何とかなるだろう。

それにしても、この時期にやる親子レク、広い体育館は異常なまでに寒かった・・・(+o+)

寒さに負けず元気に走り回る中学生たち、そしてお母さん達に感動・・・♪

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2008/08/08

グループ旅行~大阪編~

児童養護施設の児童指導員という職に就き、8年目に突入中。

それなりの経験を積み、様々な子どもに出会い、良いコトも悪いコトも色々と味わってきた。

少なくとも、今の職場や仕事に対して、「やりがい」を感じて働けている。

それはきっと幸せなコト。

安易には、「天職」なんて言葉を使いたくない。

でも少なくとも「教師」という職よりは、自分を生かせている気がする。

いつの日か、今の職が「天職」だと自他共に認められる日が来れば、それはそれで嬉しい。

それにしても、この数週間は色々なコトが一気に巻き起こり、慌しい日々だった。

まだまだ、ボクが知り得ぬ「難しさ」を秘めた仕事なんだな、と実感した日々でもあった。

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そんな慌しさのまま、夏休みに突入。

学校や幼稚園が休みなので、子ども達が一日中、園にいる夏休み。

一年で一番忙しいこの時期。

夏休み前から何だか気疲れしてしまう。

でも夏バテなんかしていられない。

昨日までの1泊2日は、中高生グループ旅行の引率責任者として大阪に行ってきた。

昨年は横浜だった中高生旅行、今年は子ども達の希望あり、大阪に決定。

USJ、海遊館、道頓堀、と思いっきり定番コース。

何かと値段が高騰する中、低い予算の中で旅行を計画するのは楽じゃない。

でも、ネットや様々な割引制度を駆使して、何とか予算内で計画、実施できた。

高速バス、地下鉄、JRなど、移動は全て公共交通機関を利用。

宿泊はビジネスホテル。

暑い中、皆くたくただったけど、田舎で生活するコたちにとって、良い社会経験になっただろう。

大きな事故やトラブルもなく、楽しい旅行だったと自負している。

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まぁ強いて言えば・・・

①大阪駅が広すぎて、予約していたお好み焼き屋になかなか辿り付けず。

※迷ったら、人に聞く、地図を見る、看板や表示を見る。そうしたら必ず目的地に着く。

→「迷った時の行動の仕方」を伝えた。

②アトラクションの座席に、携帯を落としてくる。

※引率責任者のボクが・・・(無事、手元に届いたけど)。

→「席を立つ時は必ず一度確認するコト」を伝えた。

③雷雨のために、一時、USJ内、全てのアトラクションが運行中止となる。

※室内系アトラクションは1時間ほどで再開したけど、野外系は結局最後まで動かず・・・。

相変わらずの雨男ぶりに一同、唖然。

→「天気だけはどうにもならないコト」を伝えた。

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旅行は、予定外のコトが起こるからおもしろい。

夏休みのテーマパークは込んでるし、暑いから次回はやめよう。

大阪駅周辺は、どうしてあんなに複雑なんだろう。

それにしても、何でボクは、こうもすぐにモノを落としたり失くすんだろう。

・・・と思いながら冷えたビールをゴクリ。

お疲れさん、自分。

明日からは夏休み後半戦、がんばるぞ~!

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2008/03/21

サクラサケ~結果編~

今朝、二人で高校の掲示板を見に行ってきた。

行きの車内、少し緊張し、口数の少ない隆夫。

大丈夫だと言いながらも少し不安なボク。

何とも言えない空気が漂う車内だった。

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Dc032103 サクラ咲きました。

親でもなく、教師でもなく、塾講師でもなく、家庭教師でもない立場での受験勉強指導。

正直言って大変なコトが多かった。

でも結果的に、隆夫は本気で闘えた。

真剣に進路について考えられた。

勉強の仕方が少しだけど身に付いた。

「分かる」喜びや「分かる」楽しさを実感できた。

自分を応援してくれる沢山の人に感謝できた。

「高校合格」

それ以上の何かを手に入れた隆夫。

既にボクより身長がデカくなった隆夫。

帰り際、照れながら「ありがとう」って呟いた隆夫は、何とも言えない良い表情をしてた。

Conv200803210001ホントの桜が開花する頃、隆夫は高校に入学する。

どんな高校生活を送るんだろうか。

隆夫の更なる成長が楽しみで仕方がない。

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定員割れしていたので、内心は安心していた今回の受験。

結果的には数名が不合格となっていた。

最後の最後まで油断するコトなく闘った、隆夫の頑張りを認めてあげたい。

ところで、今時の受験って「情報開示請求」をするコトで、自分が取った点数を知るコトが出来る。

早速、ドキドキしながら請求してみたところ・・・

なんと、校内テスト平均より60点も多く取れていた。

最後の1ヶ月間、本気になって頑張った成果。

定員割れしていたから・・・ではなくて、実力で合格した隆夫をボクは褒めちぎった。

本当におめでとう。

そして自分にも少しだけ、お疲れさん。

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2008/03/20

流れる季節の真ん中で

中学校、小学校と続いたので、2日連続で卒業式に出席してきた。

出席した保護者の方によく言われる。

子どもの顔つきが変わったよねって。

ホントそう思う。

特に今回、小学校を卒業した健次郎。

前に「BGM」という話で紹介したコだ。

健次郎は、幼少時、心と体に深い深い傷を負って施設にやってきた。

学校は、勉強する場所だけど、「勉強を教える、教わる」が成立しないコだった。

授業中は床に這いつくばったり、机の上に上がったり。

参観日に行くと、強烈に目立っていた。

当然、宿題なんて出来る訳もない。

宿題もイヤで、施設でも床に這いつくばった。

おまけに辛い過去を持つ健次郎は、よく「恐竜」となり、恐竜の様な動きで廊下を走り回った。

恐竜の様な鳴き声をあげた。

それは、あまりに辛い現実から逃避する必死の姿だったと、今になると思える。

健次郎は、世の中の全てを憎むような目でボクをよく睨んだ。

ボクの言うコトを素直に聞くなんてあり得なかった。

自分の存在に自信を持てず、未来はもちろん現在にも一切の希望を持てずにいた。

健次郎に対しては、安易に「夢」や「希望」を語っちゃいけない気がした。

この仕事の難しさ、深刻さは彼から学んだ気がする。

そんな健次郎を担当したのは、小学校高学年になってから。

この1年間、健次郎は急成長を遂げた。

学校生活は落ち着き、宿題に一人で取り組めるようになり、表情も優しくなった。

当然、ボク一人の力ではなく、同僚職員、学校の先生など多くの協力のおかげで。

もちろん、一番は健次郎本人の努力で。

卒業式では、良い意味で目立たず、あまりに立派な振る舞いだった。

常に集団からは浮いた存在で、悪い意味で目立ち、特別扱いされ続けてきた健次郎が・・・だ。

ボクは、健次郎が体育館に入場してくる、その姿だけで涙が溢れてきた。

何なんだよ・・・。

その立派で格好良い姿は・・・。

最初から最後まで、本当に素晴らしい卒業式だった。

小学校生活、特に4~5年の頃は、健次郎本人にとっても、周りで支える大人たちにとっても毎日が戦いだった。

そんな日々を思い出し、ボクは何度も涙を流した。

もちろん強烈な嬉し涙を。

一般の子どもは、0から1、2・・・と成長していく。

でも傷を負った子ども達は、下手したらマイナスからスタートなのである。

まずは0を目指すのがどれだけ難しいか。

当たり前のコトを当たり前に受け入れ、やるべきコトをやるのがどれだけ難しいか。

でも、0にさえ行き着けば、やっぱり子どもの力ってすごい。

ボクにそんなコトを感じさせてくれた健次郎。

この仕事は大変だけど、やっぱりおもしろいって思わせてくれた。

正直、可愛いなんて思えなかった健次郎を、今は可愛いと思える。

心から応援してやりたいと思える。

Dc031941在校生や先生方に見送られ、二人で歩きながら、ボクはそう思った。

さて、4月から中学校生活が始まる健次郎。

きっとこのまま上手くいくほど、現実は甘くないだろう。

でも、時々、健次郎が弾く優しいピアノの音色を聴く度、ボクは何とかなる気がしてくる。

何とかしてやろうという気がしてくる。

今日からまた、がんばろう。

流れる季節の真ん中で・・・ボクはそんなコトを思った。

健次郎、卒業おめでとう。

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2008/03/11

サクラサケ~受験当日編~

今日は、公立高校の後期選抜試験当日。

夜勤あけで「ガンバレよ」と見送るボク。

「いってきます」と出て行く隆夫。

あいにくの曇り空だったけど、その表情は晴れ晴れしていた。

弁当持った?

受検票持った?

あとは・・・

心配でソワソワしてたのはボクの方、お腹まで痛くなりながら見送った。

隆夫はよく頑張った。

山あり谷ありの受験勉強だったけれど、思春期真っ只中なので反抗的な時期もあったけれど、何とか今日を迎えられた。

少し緊張しながらも堂々と出掛けて行く後姿に、何だか目頭が熱くなってしまう。

今、この時間、まさに試験問題に向き合っている隆夫。

こうなったらボクにはもう何も出来ない。

ただただ、トラブルがないコトを祈るだけ。

ボクも2回の受験を経験したけど、両親もそんな気持ちでいてくれたんだろうか。

記憶を辿ってはみたけれど、見送ってくれたコトも何も思い出せない。

隆夫もきっとそうだろう。

ボクが見送る姿なんて、記憶に残らないに違いない。

きっとそんなもんだ。

別にそれで良い。

今夜は受験を終えた隆夫を労って、二人で焼肉を食べに行く予定。

勉強の話なんてせず、肉の美味しさについて語り合ってこよう。

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2008/03/07

サクラサケ!

担当の一人、隆夫は中学3年生。

今まさに、高校受験直前である。

本番までは、一週間を切った。

小学生の頃から、どちらかと言えば勉強が嫌いで、じっくり考えたり、文章を読んだり、そもそも落ち着いて席に座っているのが苦手なコだった。

当然、3年生になってからも、受験勉強になかなか身が入らない。

志望校、そしてなりたい職業だけは、けっこう前から口にしていたけど、それに伴う努力が出来ない。

本人なりには、きっとしてたんだろうけど、あまりに甘い、その姿勢。

でも勉強なんて、叱ってまでやらせるもんじゃない。

いかに、目的意識を持たせ、勉強に対する主体性を持たせるかが大切だと思っている。

勉強しなさい」とは絶対に言わないと決めていたし、本人にもそう伝えていた。

ここで切り替えなければ間に合わない」と言われ続け、春が過ぎ、夏が過ぎ、正月が過ぎ、ついに最後の校内テストも終わってしまった。

学級担任とは頻繁に情報交換し、定期的に三者面談を実施してきた。

その時ばかりは表情が変わり、その夜から学習態度は一変する隆夫。

やっと火がついたか・・・!

ボクは本番までの学習計画を作成し、その時期に応じた学習方法を教える。

問題集だって必要なものを購入する。

しかし、毎回、面談後一週間辺りから徐々に気が緩み始め、学習態度は下降の一途を辿っていく・・・。

漫画もテレビもやめられない。

そんな展開を何度見つめてきたコトだろうか。

最後の校内試験が終わった時点で、志望校の目標点までは100点足りなかった。

結局、同じ学校の違うコースに、志望変更するコトに。

それでも50点、足りない。

評定も足りてない。

しかも変更したコースに対して、「入りたい!」という気持ちを持てずにいた。

仕方ないのかもしれないけれど、そういう気持ちで入った高校生活なんて目に見えている。

そこで最後の三社面談を実施。

児童養護施設で生活する子どもは、基本的に学籍があるコトが条件。

高校に行けない=退所して就職・・・を意味する。

通信制や定時制などを利用して何とかならない訳ではないけど、隆夫には現実の厳しさを教える。

後は、叱っても仕方がないので、担任と二人してとにかく励ました。

やれば出来るんだ。

本気を出せ。

後悔する結果だけにはするな・・・と。

そして志望変更したコースに気持ちが向かうよう、担任と二人して、経験談を交えた話をした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

最後の面談から2週間以上が経つが、最近は、時間を惜しんで勉強する隆夫がいる。

漫画もテレビも見ない隆夫がいる。

学習予定表も、しっかりこなしている。

ボクと一緒に作成するものの、何度も途中で挫折し、その度に作り直してきたやつだ。

志望しているコースは、最終志願者発表で定員割れしていた。

何度教えても頭に入らなかった教科や分野が、最近、頭に入りつつあるし、勝算は十分にある。

でも何があるか分からないのが受験の怖さだけに、油断は出来ない。

教師でも、塾講師でも、家族でも、親でもないボクと隆夫の関係。

でも、心から合格を望んでる。

Conv200803070001この時期、こんなにも桜の開花が待ち遠しいなんて。

本格的な受験生を担当に持つのは、隆夫が初めて。

担当として出来る限りのコトはやってきたつもり。

手を出しすぎないように、本人のやる気や気持ちと離れないように、距離感を大切にしてきた。

あとは本人の頑張り、そしてまさに神頼み・・・。

隆夫の机の上には、お守りが一つ転がっている。

それは、この正月に、ボクが故郷の最勝院で買ってきた「合格祈願お守り」。

サクラサケ!!!

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2008/01/15

ゆで卵と部屋の匂い

先日の夜勤あけ。

ボクは小学生たちと朝ごはんを食べていた。

普段通り何の変哲もない朝の光景。

そしたら2年生の英二が、おかしな行動をしているコトに気がついた。

英二と言えば、以前にも紹介したコトがあるコ。

朝食のおかずの一品、ゆで卵の匂いをクンクンと嗅いでいる。

英二は普段から、物の匂いを嗅ぐクセがある。

気になる様で、何度か匂いを嗅ぐ英二。

納得したような顔でボソッと発した一言が・・・

旅行の部屋の匂いだ

あまりに小声だったので、誰もが気にも留めず、時間に追われていたボクも特にコメントせずに流してしまった。

あれから一週間ほど経つ。

今になって気になって仕方がない。

「ゆで卵の匂い」と「旅行の部屋の匂い」

どうしても結びつかない。

園の旅行で泊まった宿の部屋のコトを言ってるんだろうか。

でも、ゆで卵の匂いがする宿に泊まったコトなんてもちろんない。

硫黄臭のする温泉に連れて行ったコトもないし。

「気になるコト、分からないコトはその場で確認」

この仕事の基本を忘れていたコトを反省したい。

英二はそんなコメントしたコトなんて、もはや覚えてないんだろうし・・・。

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2007/12/18

BGM

クリスマスより数週間前に開催される、園のクリスマス会。

子どもたちがお世話になってる学校の先生方、子ども達の友達、地域の民生委員の方々、法人理事の皆さん・・・何だかんだで、毎年100人を超す規模となる。

ここ数年、ボクは、会全体の責任者として計画を進め、実施してきた。

今回も頑張った甲斐あって、大人も子どもも皆が楽しい会になったんじゃないかと満足している。

これが無事に終わると一年も終わったなって感じ。

そんな今年のクリスマス会。

印象深いステージがあった。

ボクが担当している5年生の健次郎。

まぁ色々あって小さな頃から園で生活している。

人と関わるのが苦手で、学校でも園でも度々トラブルを繰り返してきた。

その都度、注意されてきた結果、自己否定感が人一倍強く、自分に自信を持てないコ。

それでも最近は随分と落ち着き、前向きに物事を考えられる様になってきた。

そんな健次郎はピアノが得意。

と言っても素直に人から習えないので、一時通ったピアノ教室はすぐに挫折。

その後、新人で入ってきた保育士に少しずつピアノを教わり、独自の練習を重ねてきた。

平日の夕方、休日の昼下がり、園内にはピアノの音色が響く。

演奏しているのはいつも同じ曲の同じメロディー。

ふと耳を傾け、何だか聞き入ってしまう。

今回のクリスマス会では、そんな健次郎のために発表の場を用意した。

ただし、人前に出るのが苦手で、自分に自信を持てない健次郎の希望があり、食事やおしゃべりを楽しむ歓談時間のBGMとして。

幕も半分閉めて、本人の姿は皆には見えないように配慮した。

演奏が始まると、BGMで…という本人の希望を司会が説明したとは言え、皆、ステージに耳を傾け、手を休めていた。

楽譜を見ずに弾くその音色は、優しく、素直で、穏やか。

緊張で一杯だったんだろうけれど、彼の演奏は、いつも通り、何だか幸せな気持ちにさせてくれる。

ひたすらに練習を重ねてきたコト、緊張して本番を迎えた経緯、そんな姿を思い浮かべ、余計に目頭が熱くなる。

気持ちが込められた音色って、どうしてこうも人を感動させるんだろうか。

自分の気持ちを表現するコトの苦手な健次郎が本来持つ、優しい内面が全て表現されていた様に思う。

腕時計をピアノの脇に置き、設定された5分を几帳面に守った健次郎。

演奏を終えた彼を、ボクはステージの真ん中に案内し、会場に向けて一礼させた。

沢山の賞賛の拍手を受け、照れくさそうで、嬉しそうで、ちょっぴり誇らしげな、彼の表情が印象的。

彼が一人であそこまでの注目を浴び、認められた経験は初めてだったに違いない。

これから彼が自立していくまでに、どれだけの壁があるんだろう。

そこにどれだけ立ち向かえ、不安を自信に変えていけるんだろう。

どれだけ挫折を経験するんだろう。

挫折を財産に変えていけるんだろう。

担当と言ったって、ボクに出来るコトは微々たるもの。

何でもかんでも何とかしてやろうなんて気持ちは、ボクにはない。

思春期のコは、いかに手を出しすぎず、我慢して見守れるかが大切だと思っている。

優しいピアノの音色が曇らぬように、ボクは見守っていきたい。

ステキな演奏をありがとう。

また一つ、この仕事のやりがいを感じさせられた。

きっと、今日も健次郎は誰かとトラブルになるに違いない。

そしたらまた、「人との付き合い方」を教えてあげよう。

きっとその繰り返し。

それで良い。

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2007/09/24

ロバートニクソン

ボクが担当している中1の健太。

寝起きがめっぽう悪い彼を起こすのは容易でない。

声を掛けて起こしても、次に見に行くとまた寝ている。

これを何回も繰り返し、彼はようやく覚醒する。

起こす時、彼はいつも夢と現実の狭間にいる。

そんな彼はいつも、ボクに向かって意味不明なコトを口走る。

今朝はこんな感じ・・・

ボク:おーい、いい加減起きなよ~!

(布団を強引に畳み強制的に起こす)

健太:何をする!おまえはロバートニクソンだろ!?

ボク:誰それ?

健太:分かんない・・・。

ロバートニクソンが誰なのか気になって仕方ないので、帰宅後、早速、ネット検索。

何かの漫画のキャラクターにでもいるのかと思っていたら、映画監督をしているロバートニクソンが実在していた。

でも健太がそんな監督を知ってる訳がない。

ロバートニクソンってどこの誰なんだろうか。

健太はロバートニクソンと夢の中で何をしていたんだろうか。

謎は深まるばかり。

夜勤2連チャンあけで、疲れて眠いはずなのに、気になって眠れない。

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2007/09/05

緑のチカラ

ボクの勤める児童養護施設には、「心理指導員」という職の先輩がいる。

今でこそ、大抵の施設には常勤、または非常勤の心理職員がいるけれど、先輩は30年近く前からカウンセラーとして勤務してきた。

現在は「児童養護施設」だけれど、前身は「病虚弱児施設」という部類の施設であり、障害や病気を持った子ども、または心の病を持った子どもが多く生活していたコトが背景。

長い間、子どもの心と向き合ってきたその先輩から、こんな話を聞いたコトがある。

それは、今から15年ほど昔、「虐待」という概念がまだまだ認知されていなかった頃の話。

先輩は、入所児童Aさんと定期的にカウンセリングを行っていた。

Aさんは、重い心の病を患っており、そこから発するネガティブなエネルギーは相当なものだったらしい。

でも、そんなエネルギーを受け、ただひたすらに話を聞き入れ、存在を認め続けるのが先輩の仕事。

それって言葉で言うほど、簡単なコトではない。

日々、Aさんとのカウンセリングを続けるうちに、部屋の片隅に置かれた観葉植物は少しずつ枯れ始め、そのうちに全ての葉が落ちてしまった。

その後、数ヶ月、先輩はAさんとのカウンセリングを続けた。

枝だけの観葉植物が片隅に置かれた部屋で。

Aさんは暗いトンネルを抜けたのか、次第に表情も明るくなっていった。

すると不思議なコトに、一度全ての葉を落とした「観葉植物」には、また新しい葉が生え始めた。

Aさんが退所していく頃には、元の緑一杯の姿に戻っていたという。

なんだか不思議な話。

もちろん、Aさんが影響していたかは定かではない。

でも、日々、悩みを抱え懸命に生きる子ども達と接していると、目に見えない沢山のエネルギーがぶつかってくる様な感じはする。

ネガティブなもの、ポジティブなもの、強いもの、弱いもの・・・それは色々。

Conv0010ちなみに、現在もその「観葉植物」は、同じ部屋の同じ場所に置いてある。

温かな陽の光を浴びながら。

子ども達を、そしてボクたち職員を見守ってくれている。

地球温暖化を防ぐため、緑の大切さが叫ばれているが、それだけじゃない。

緑ってもっと何かすごいコトをしてくれてる気がしてならない。

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2007/06/23

カメと脱毛

2年生の英二は子どもらしい子ども。

喧嘩っ早く、他のコとのトラブルは絶えない。

でも真剣な顔でとぼけたコトを言うので、つい顔が緩んでしまう。

先日、川でカメを拾ってきて、園で飼うコトになり(結局、逃がすコトになったけど)、小学生たちで、そのカメの名前を決めようという話になった。

子どもなので、そりゃもう色んな名前候補が挙がるもの。

スムーズに決まる訳がない。

一向に決まる気配のない名前決め会議。

そんな時、英二が一言。

オレ、名前覚えられないからさ、カメにしよう・・・

カメという名のカメ。

飼い犬に「犬」と名付けるようなものだ。

こういう発想、ボクには全くない。

さすがである。

もう一つ、英二のエピソード。

先日の夜、洗面所の鏡の前で深刻な顔をしている英二。

少し様子を見ていたら、髪の毛をいじっている。

心配になって声を掛けると・・・

オレさぁ、髪の毛が抜けるんだよ・・・」とポツリ。

英二の顔や手のひらには数本の髪の毛が付いている。

表情は暗く、深刻そのものだった。

何てことはない。

その日、英二は床屋で散髪して来て、その切った髪の毛が頭や顔に付いていただけの話。

さすがだ。

ボクは公私ともに、子どもと生活している。

これってきっと幸せなコトに違いない。

でもボクは特別に子どもが好きな訳じゃない。

なんだか人が好きなのである。

昔、将来やりたい仕事なんて何も見えなかった頃、人を相手にする仕事をしたい、とだけ心に決めていた。

そう思うと、やっぱり今は幸せである。

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2007/06/02

東京土産

6年生の伸介と武彦が修学旅行に行ってきた。

東京タワー、国会議事堂、上野動物園、東京ドーム・・・と定番コース。

東京タワーがでかかった!」と興奮して帰ってきた二人。

信州で生まれ育った二人にとって、のっぽなビルが所狭しと並ぶ東京はさぞ刺激的だったコトだろう。

嬉しいコトに、それぞれがお土産を買ってきてくれた。

Conv0008_5 伸介が買ってきてくれたのは、ずばり「東京タワー」。

映画の影響でバカ売れしてる・・・かどうかは知らないけれど、なかなかストレートで粋なお土産である。

ちなみに、「奥さんと仲良く使ってね」とのこと。

ハイ、ケンカしないように使います♪

Conv0009_4お次、武彦が買ってきてくれたのは「シャープペンシル」。

阿部」というシールが貼られていたので、てっきり印鑑付きペンだと思ったボク。

おい!苗字が違うよ!」って突っこもうとしたら、巨人の阿部慎之介ペンだった。

阪神ファンのボクにこれを選ぶとは、こちらもまた粋である。

ちなみに武彦は野球を全く知らない。

Conv0010_3

そして、武彦がくれたペンの入っていた紙袋には、間違わないように・・・とボクの名前がメモされていた。

にんぺいさんって・・・。

こう思い込んでる子は決して少なくない。

小学生の日記なんかにも、よく「にんぺいさん」が登場するし。

ちなみに武彦との付き合いは、そろそろ4年目になる・・・。

お土産やプレゼントって、そのモノはもちろんだけど、自分のコトを想って選んでくれた時間や手間が嬉しいもの。

東京タワーと阿部ペン、大切にしよう。 

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2007/03/20

卒業式

先日、保護者としては初めての卒業式に出席してきた。

卒業証書の授与は、昔よりも色々が合理化されていてスムーズだった。

校長先生を含めた数人からの祝辞は、昔と変わらず長く、色々と内容が重なってしまい、あまり心に響かなかった。

そして昔と変わらず体育館の中は非常に寒かった。

昔と変わらない大砲みたいな暖房機は爆音を轟かせるので、式中は止められていた。

アレってつけないと寒いけど、つけるとうるさい。

技術大国日本の技術者達の力で何とかならないものなんだろうか・・・。

そう思いながら寒さにじっと耐えた。

今でこそ泣き虫のボクだけど、小学生時代、学校では涙を見せない・・・と勝手に決めていて、卒業式でも涙を見せなかった。

きっと感情を表現する方法が、素直に感情を表現して良いのかどうかが、よく分からなかったんだと思う。

学校で泣かない分、家ではよく泣き、怒り、両親を困らせた。

周囲には器用に振舞っていたけれど、実は不器用で仕方ない子どもだったんだろう。

そんなボクが小学校を卒業してから20年近く経つ。

今や、泣いても良い状況にあり、泣きたい時には、必ず涙を流せる様になっている。

そんなボクが出席した卒業式。

今回の卒業式は、6年間担当してきた健太の保護者として出席。

卒業証書授与や祝辞などが済んだ後、この地域独特で感動的だと噂に聞いていた歌の掛け合いが始まる。

在校生、卒業生、先生、保護者が交互に歌い合い、時に卒業生のメッセージが加わる。

Conv0001_6噂には聞いていたけど、もうダメだった。

保護者なんて一人も歌っていない。

皆、号泣。

もちろんボクも泣いて泣いて、そして泣いた。

あっという間だった健太との6年間を振り返り、幼さの残る入学時を思い出し、目の前の堂々とした姿に嬉しさ込み上げ・・・。

健太も周りの目を気にせず、泣きながら歌っていた。

一人、溢れる涙を白いハンカチで拭いながら歌っていた。

悔し涙や悲しい涙、そして痛い涙ではなくて、嬉し涙を素直に流せるって素敵だと思う。

少なくとも小学生の頃のボクにはそれができなかったから、余計にそう思う。

卒業式、学級での担任挨拶などが終わり、ボクたちは外へ出た。

お父さんお母さんは子どもと手をつないで下さ~い!

先生か誰かがそう言った。

恥ずかしいよって嫌がる健太の手を引いて、ボクたち二人を含めた大勢は校門を目指す。

こんな大切な日にお母さんは来ないんだなぁ

そうボソッとつぶやいた健太の手をギュッと握った。

ボクは母ちゃんでも父ちゃんでもないけど、この6年間の成長を山ほど知っている。

そしてそんな成長を誰よりも嬉しく思っている。

ボクたちは胸を張って歩き、在校生や先生たちに見送られ、校門をくぐった。

4月からは健太との中学校生活が始まる。

さぁこい、思春期、反抗期。

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2007/03/09

巣立ちの朝

昨日の朝、早起きして職場に行ってきた。

この春から、名古屋で働きながら専門学校で学ぶコトになったコズエを見送るため。

高校卒業と共に、園を退所となるコズエは、施設で8年間過ごした。

事情あって施設にやってきたコズエは、小学校高学年、中学、高校と一番多感な時期を施設で過ごした。

色々な問題行動も沢山起こし、自暴自棄な頃もあった。

自分の存在価値や居場所を見出せず、そのイライラを周りにぶつけるコトもあった。

ギリギリまで進路が決まらず焦っていたコズエ。

でも、担当職員、学校担任、もちろん本人の努力もあり、何とか進路が決定、出発の日を迎えた。

退所までの数日間、様々な人に感謝と謝罪を伝え、でも、荒れた時期があったからこそ今の自分がいるんだから後悔はしていない、と口にしていた。

ありがとう

ごめんなさい

後悔はしてないよ

出発間際はバタバタしてしまい、とても別れの雰囲気に浸れる感じではなかったけど、ありがとうございました!」と一礼するコズエの表情は晴れ晴れしていた。

気持ち良く前向きに園を退所していく子どもを見送る時、ボクはこの仕事のやりがいを感じる。

でも現実は、そうじゃない子どもの方が多い。

親の支援を受けられないケースがほとんどの子どもたち。

実際に社会に出た後も、金銭的に頼ったり、やり直すために戻る実家がないコがほとんどなのが厳しい現実。

そんな子どもたちが自立していくってのは、容易いコトじゃない。

施設を退所して巣立っていくってのは、一般の家庭の子の何倍も大きな不安でいっぱいに違いない。

でもボクたちは見送るしかない。

不安な時や辛い時はいつだって頼ってきて良いんだよっていう姿勢で、見送るしかない。

施設を出た後、たまに顔を出すコ、たまに連絡してくるコ、全く音信不通になってしまうコ、窮地に追い込まれ最後にやってくるコ・・・色々なコがいる。

Conv0001_4

園の庭から見える梅の老木と古い蔵は、毎年、そんなコたちを見守っているんだろう。

物言わず温かく、ずっと同じ場所で。

今年はコズエの巣立ちに合わせたかの様に、早めに花を咲かせた梅の老木。

コズエはもちろん、そんな老木の存在に目をくれるコトなく、慌しく巣立っていった。

きっとボクだって遠い昔、巣立ちの朝は、そんなもんだったに違いない。

いや、もしかしたら感謝を伝える余裕もなく、ただ「いってきます」とだけ口にしたのかも。

目の前しか見えていなかっただろうボクを、両親はどんな気持ちで見送ったんだろうか。

そんなボクも今や親となり、公私で子どもを見守る立場になっている。

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2007/02/21

もうすぐ卒業

夜勤あけの本日、小学校の高学年参観日に行ってきた。

6年1組には、ボクの就職時1年生だった浩太が在籍している。

今の職場で働き始めてから6年目、この春からは7年目に突入する。

6年前には幼稚園を出たばかり、一人では出来ないコトばかりの浩太だったのに、気が付けば6年生。

この春からはなんと中学生になる。

昼食を兼ねての親子レクとして、前日から準備してくれたカレーを食べた後、授業参観では、一人ひとりがスピーチを発表するという形だった。

ちょっとドキドキしながら聞いていたのだけど、浩太のスピーチは堂々としたもの。

ある時、先生に文章を褒められてからというもの、文章を書くコトが好きになった浩太。

ある時、先生に字を褒められてからというもの、きれいな字を書くようになった浩太。

ある時、きれいな字で書いた詩を褒められてから、自分の想いを詩に表すコトを覚えた浩太。

詩を書き重ねたノートを片手に、浩太は自分の成長を語った。

詩を書く楽しさと喜びを伝えたいからと、将来の夢は教師だと語った。

そんな自分を支えてくれる施設職員への感謝の気持ちを語った。

自分が施設で生活しているコトを受け入れ、そこを居場所と感じ、共に生活する職員に感謝する。

それは決して簡単なコトではなく、退所するまでそれが出来ずに巣立っていくコが少なくないのが現実。

親に感謝するのだって難しい年頃である。

感謝の気持ちを素直に言葉で表すのなんて更に難しい。

少なくともボクはそうだったし、それが出来るようになったのなんて、まだまだ先の話だ。

ボクは溢れ出る涙をこらえながらスピーチを聞いた。

就職当初、自分は親代わりになれば良いのか、兄代わりになれば良いのか、それとも・・・?

どんな姿勢で、どんな立場で子どもに接すれば良いか分からなかった。

あれから6年が経ち、ボクは親代わりにも、兄代わりにもなれないコトが分かった。

目の前の浩太に対して、浩太のコトを思い、ボクに出来る限りのコトをする。

日々、その繰り返し。

それは時に、叱るコトであり、励ますコトであり、褒め称えるコトであり、ふざけるコトであり、共感するコトであり、黙って見守るコトであり、何もせずに距離を置くコトであり、今何をすべきか考えさせるコトであり・・・。

決して見捨てたり裏切るコトはない存在だと伝え続けるコト。

目の前にいる浩太の存在を認め続けるコトが、ボクに出来るコト。

ボクは児童養護施設の児童指導員。

沢山の子育てを経験できるこの職業。

大変な時もあるけれど贅沢な職業だと、ボクは思う。

やりがいのある仕事だと、ボクは思う。

楽しい、とボクは思う。

もちろんきれいごとばかりじゃなくて、日々、ストレスとの戦いでもあるけれど、可能な限り戦わずに共存したいと、ボクは思う。

本日は春の様に日差しがあたたかく、春の様にやわらかな一日。

浩太の小学校生活、最後の授業参観が終わった。

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2007/02/04

ドッジボール2

相手チームのエースが致命的なミス。

ボールは彼の手からこぼれ落ち、コートにトントン・・・と転がった。

やはり奇跡は信じてみるものだ。

信じるコトから全てが始まる。

試合ってのは流れがあるもので、その流れさえつかめば、一気に勝利が舞い込んでくる。

僅差で勝利し、満足そうな笑顔を浮かべた子ども達がボクの元に駆け寄ってくる。

「カントク~!やったよ~!」

やっぱりスポーツって良いものだ。

監督デビューを果たしたボクの目には、うっすらと涙が光る。

・・・と、そんな夢を見たかどうかなんて覚えてないけど、アラームの音で早朝5時に目を覚ましたボクは、真っ暗な中、自転車をこいで職場を目指した。

寒い寒い朝の空気に心身が引き締まる。

松本を通る頃には、安曇野の向こうにそびえる北アルプスが朝日で赤く染まっていた。

何て美しく雄大な景色なんだろう。

そんな素晴らしい景色を横目に、ボクは10人乗りハイエースを走らせ、長野市を目指した。

強風が吹き乱れていたため、馬鹿でかい車体の不安定さにヒヤヒヤしながらハンドルを握る。

ハイエースという車は、走行性能ではなく、完全に乗車人数や広い車内空間を重視した車なんだろう。

強風の中ではひどく疲れる車である。

子ども達はそんなコトは知る由もなく、そして大会に向けた緊張の欠片もなく、後ろで楽しそうに騒いでいた。

もちろん時々ケンカしながら・・・。

P1020666 結果は散々だった。

見事に全敗で予選敗退。

それなりに健闘した試合もあったけど、チーム力の差は歴然としていた。

おまけに、試合が終わる度に文句を言い合うコ、自分はさておき誰かを非難するコ、ふてくされるコ、ふざけるコ・・・。

映画や漫画の様な奇跡は一切起きず、実に現実的であっけない結果だった。

P10206681試合くらい勝たせてあげたかったけれど、練習で出来ていないコトが本番で出来ちゃう程、この世はボクたちに都合良くは出来ていない様だ。

それにしても、決勝リーグに進んだチームはどこもすさまじく強かった。

ボクが本気を出したってキャッチ出来ない様な球をガンガン投げ、そんな球を次々とキャッチしていた。

うちのコたちは、そんなコたちの姿を見て、何かを感じたんだろうか。

やるべきコトをしっかりやらなきゃ結果は出ない。

甘くなかった結果に、そんなコトを感じられただろうか。

チームメイトを非難するコトの空しさを、ほんの少しでも感じてくれたんだろうか。

帰りの車内、険悪な雰囲気が微塵もなかったコトが救いと思うべきか。

わずかな勝利を信じて必死に大声で声援を送り、指示を出し続けたので、ノドの奥が心地良く痛む。

チームの一人ひとりとはまた機会をみて話をしよう。

今日の結果、練習してきた日々を無駄にはしたくないから。

大変だからこそ、描いた様な感動的な結果が伴わないからこそ、この仕事はやりがいがある・・・って思う余裕が、監督業務と往復350キロの運転で疲れ果てたボクには・・・。

ドッジボールの結果はさておき、このコたちが自立していく上での課題は満載。

今夜のビールは苦いなぁ。

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2007/02/03

ドッジボール!

今日は休みだったけど、半日、ドッジボール練習をしてきた。

そう、ボクはドッジボールチームの監督なのである。

そして何と、明日が大会本番。

早朝6時前には園を出発して、会場である長野市を目指す。

南北に長い長野県、最南端の飯田市から長野市までは、高速を使っても2時間ほどかかってしまう。

児童養護施設で生活する小学生対象のこの大会は、今回がたしか5回目で、うちの施設が出場するのは初、そしてたぶん最初で最後となる。

というのも定員30名の我が施設で、小学生8名を集めてチームを作るのは大変なコト。

他の施設は高学年でチームを固める中、2年生1名、3年生1名、4年生1名、5年生1名、6年生4名、男女混合の我がチームは、正直言って非常に厳しい状況にある。

最低8名は必要なので、一人がケガをした時点で、チームとして成立しなくなってしまう。

おまけに、ルールの把握や技術的な面はそれなりに向上してきたとして、問題はチームの結束。

とにかく仲間割れがすさまじいチームなのである。

今日も何度ケンカし、罵声が飛び交ったコトか・・・。

試合形式の練習を終える度にケンカや言い争いが勃発する。

挙句の果てには、一人が機嫌を損ね、チーム崩壊・・・そのまま練習終了。

やばいぞやばいぞ。

まさにスポーツものの映画やドラマにありがちなギリギリチームなのである。

園に戻ってから、一人ひとりと話をし、今日の練習での反省すべき点や課題点を告げ、考えさせる。

そして全員を一部屋に集め、出場の意思を問う。

謝るべきコには謝らせ、何とかケンカは円満解決。

前日にチームが崩壊し欠場が決まる・・・という最悪の展開を避けるコトはできた。

最終的には円陣を組ませ、チームは再び一つに・・・(なったのか?!)。

スポーツものの映画やドラマに、チームの不和、崩壊は付き物である。

そんな課程があるからこそ、ラストには感動のフィナーレが待っている。

きっとそうだ、そうに違いない・・・ボクは何度もそう自分に言い聞かせる。

そういえばボクが監督をやるのって人生初。

いつもケンカばかりのコたちが一つになって戦うのだから、何とか一勝して欲しい。

スポーツものの映画や漫画に奇跡は付き物。

弱小チームが本番に一つになって奇跡の勝利・・・ボクは今までそんな映画やドラマを沢山見てきた。

明日も何かが起きると信じたい。

まぁ奇跡なんて起きなくたって良い。

欲張らず、帰りの車内、険悪な雰囲気になっていないければ良いとするか・・・。

ところで近頃のドッジボールって非常にルールが複雑で細かい。

ボクが小学生の頃なんて、ただ相手チームに向かってボールを投げ、内野と外野を行き来するだけのシンプル極まりないスポーツ・・・そんなもんだった。

それが今や、投げられる回数から始まり、外野が動ける枠が決まっていたり、とにかくルールが細かくて本格的なスポーツなのである。

正直、監督であるボクもルールを理解しきれていないのが現実。

明日の予選は、2ブロックに分かれ、1試合5分のリーグ戦。

各ブロック5チーム中、3チームが決勝リーグに進むという訳。

5分×4試合・・・20分で終了!にならないコトを祈りたい。

どうなるコトやら・・・。

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2007/01/23

とある休日の過ごし方

ボクの職業は児童養護施設の児童指導員。

先日の休みの日、6年生の健太(仮名)を連れて外食&温泉に行ってきた。

健太は卒業を控え、日々の生活に疲れていたので。

年間に決められた予算内であれば、好きな日に好きな組み合わせで外食に行ける。

自分が責任を持って連れていける人数であれば、基本的に何人でも可。

子どもから誘うコトも、職員から誘うコトもある。

施設によって色んな仕組みがあるんだろうけど、うちの施設はそういう仕組み。

普段の勤務内では、なかなかゆとりのある関わりが難しい現実がある。

特に平日は、翌日の学校準備確認、宿題指導、各学級担任との連絡帳記入、電話の応対、洗濯、入浴、掃除、書類関係・・・と主夫業をこなさなければならない。

加えて、ケンカやその他のトラブルが勃発するので、随時、対処しなければいけない。

いつも笑顔で♪なんてなかなか難しいものだ。

ちなみにボクは4人兄弟だったけど、それはそれは、かなり壮絶な兄弟関係だった。

そう考えると、血のつながっていない男女約30名(2歳弱~18歳強)が一緒に生活しているのだから、そりゃ大変な訳である。

そんな訳で、勤務外の外食ではお互いにゆとりを持ってのんびり楽しめる。

庶民向けステーキ屋?「ステーキワン」に着くと、普段の食事ではなかなか食べられないサーロインステーキを注文。

店員に「焼き加減はミディアムでよろしいですか?」と聞かれ、戸惑う健太。

店員が立ち去った後、ステーキ初体験の健太に、レア、ミディアム、ウエルダンについて解説。

とりあえず「ミディアム」さえ覚えておけば、人生何とかやっていけるコトを経験談を交えながらレクチャー。

店員に聞かれる前に「焼き加減はミディアムで♪」ってスムーズに言えたら格好良いコトも教えておく。

でも、実はボク自身、ミディアム以外を注文したコトがない。

ホントの所は、「レアとミディアムの中間、ややミディアム寄り」に焼いて欲しいのだけど、そんなコトを偉そうに口に出す程、ボクには度胸はない。

そしていつも店員に聞かれてから、慌ててミディアムを頼む。

鉄板の上でジュージューと音を出すステーキが運ばれてくると、250gが予想以上に大きいコトに二人で驚く。

こんな美味いもんがあるんだ~」と肉にむしゃぼりつく11歳の健太。

落ち着いたフリをしているが、実は内心嬉しくて興奮しながら肉にむしゃぼりつく30歳のボク。

小学生の頃、生まれて初めてステーキを食べた感動を、ボクは今も覚えている。

あの感動を一生忘れることはないだろう。

いつの日か大人になった健太が、今日という日を思い出してくれたら幸いである。

メイン以外はバイキング形式の店だったので、お腹いっぱいになり温泉へ。

到着直後、二人揃ってお腹が痛くなり、入浴前にトイレへ・・・。

時間を気にせず、湯船にゆっくり入り、おしゃべり・・・そんなコトも普段の生活では出来そうで出来ない。

白く染まった南アルプスを眼前にした露天風呂で、癒しの一時を過ごす。

風呂上りには牛乳を飲むのが基本であるコトを教え、牛乳をおごってあげる。

もちろん腰に手をやって飲むのが基本であると教える。

家に帰ったら家族のために全力で、仕事中は施設で生活する子ども達のために全力で。

24時間365日の交代不規則勤務であるこの仕事では、その両立が簡単な様で難しい。

難しいからこそおもしろい。

ちなみに次の休みの日には、中学校の参観日に行ってきた。

家族の理解、協力が不可欠な仕事でもある・・・。

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2007/01/02

職員旅行~オキナワ~

もう半月ほど前になるけど、職員旅行で沖縄に行ってきた。

就職以降、毎回幹事として計画を練っている。

何かと面倒臭いけど、嫌いじゃない作業なので楽しむコトにしている。

いかに皆の希望を取り入れ、いかに安くお得に、いかにスムーズで快適な旅行を計画するか・・・、自由気ままな貧乏一人旅とは全く違うだけに、それはそれでおもしろい(と思うコトにしてる)。

今回は同行メンバーの希望もあって沖縄に決定。

沖縄は11年振りとなる。

11年前、大学1年生だったボクは、刺激や出会いを求めて南を目指した。

ノート片手にヒッチハイクで長野から鹿児島まで行き、そこからフェリーで沖縄本島へ。

那覇港で野宿し、沖縄本島はヒッチハイクで回ることに。

走りゆくドライバーにどうも笑われると思ったら、「那覇」を「覇那」と書き間違えていた。

豚の顔や色とりどりの魚が、所狭しと並ぶ市場を興味津々に歩き回った。

何も知らず(考えず・・・)に、ただただ遠くへという思いで訪問した沖縄、ひめゆりの塔や各資料館では、戦争の傷跡を目の当たりにし、衝撃を受け、一人涙を流した。

本島を後にしたボクは、フェリーで南下し、石垣島を拠点に離島を巡るコトに。

計画は一切立ててなかったので、行きたい島に行き、居たいだけ滞在した。

「日本国内でこんなにも風景や文化が違う場所があるんだ。それなら外国に行くと自分はどんな刺激を受け、何を想うんだろう」って、次なる旅をどこにしようか南の島で思いを馳せた。

その旅で出会った何人かとは、今でも連絡を取り合える仲である。

・・・とそんな思い出の地である沖縄へ行ってきたって訳。

2泊3日、曇りのち雨、雨、雨という絶望的な予報に反して、割と天気に恵まれた。

地元の人が寒い寒いと騒いでいた気候も、信州から来たボクたちには暖かすぎた(それはさすがに言いすぎだけど)。

Photo_14 メンバーの一人が「大蛇を首に巻いてみたい」というので、おきなわワールド内、ハブセンターへ。

ヘビだらけの館内で、大小様々沢山のヘビさん達にどうリアクションして良いのやら…って感じ。

とりあえずメンバーの希望を叶えるべく、ボクも大きなヘビを首に巻いたけど、やっぱりヘビは苦手だ。

そういえば11年前にも巻いたなぁ。

Photo_3それはそうと、動物愛護の観点から、かつて目玉だった「ハブVSマングース」のショーは行われておらず、最近は代わりのショーとして水泳競争をしているらしい。

必死に泳ぐ水嫌いのマングースが、元々水中活動が出来るけど泳ぐ気ゼロのハブに圧勝・・・。

ちなみにハブ退治のため、戦後、インドから連れてこられたマングースだけど、ハブを退治した例は一件も報告されておらず、今や害獣駆除の対象とのコト・・・。

今となっては毎日、無意味に泳がされてるんだからマングースもたまったもんじゃない。

Photo_13 最近、沖縄旅行といえば美ら海水族館が定番らしい。

今回、初めて沖縄行く人も何回か行ったコトがある人も「美ら海水族館には行きたい」との意見。

とりあえず今回は、美ら海水族館見学を中心に旅程を組み立てた。 

Photo_1じんべえザメは噂通りでかかったけど、でかい体のサメさん達はやっぱり広い海が良いだろうな…広い水槽で悠々と泳ぐ彼らを眺めてそう思った。

また行くコトがあれば、じんべえザメやマンタ達を眺めながらくつろげるカフェでコーヒーを飲みたいものだ。

Photo_18  名護市にある朝日レストランで、美味しい牛ヒレ肉の鉄板焼きが食べれるらしい。

そんなネット上の情報を元に食べに行ってみた。

目の前で焼いてくれる肉を食べるのは初めてだったし、店内に所狭しと飾られたサイン色紙にも納得の味とパフォーマンスを一同で堪能した。

Photo_12 名護市から北東に40分ほどの古宇利(こうり)島

天気が良ければ行ってみたいけど、まぁムリだろうって思っていた島。

のんびり10分ほど車を走らせると1周出来る広さの小さな島。

昨年、橋が開通した島で、夏は海水浴で賑わうらしい。

Photo_10この時期、島自体は特に見所がないものの、島にかかる2キロほどの橋が見事。

大きな青い空に向かって道路が吸い込まれていく…といった、何とも言えない風景に運転しながら心踊らされた。

Photo_15 橋の開通を記念した広場に、子ども達の夢が刻まれた記念碑が並んでいる。

うみんちゅになってでっかいさかなをとります

手形と共に記されたそんなメッセージが心に残った。

橋の開通によって変わってしまったコトもあれば、きっと変わらないコトもあるんだろう。

Photo_6そんな楽しい沖縄旅行もあっという間に終わり、気が付くとまた子ども達に囲まれて慌しく働く自分がいた。

それにしても、目の前に広がる青い海に癒されていたボクが、まさかまさか数日後にゲロの海に悩まされるとは思いもしなかった。

年末、全国的に大流行している感染性胃腸炎が職場でも流行り、連日、誰かが嘔吐し、その片付けや消毒作業に追われながら年末を過ごすコトになろうとは…。

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2007/01/01

年越し

年越しは数年ぶりに職場で迎えた。

年末年始と言えど、どこにも帰れないコは毎年いる。

そんなコたちと過ごす年越し。

どこにも帰る先がないコたちは、やはり寂しい気持ちになる。

一昔前は、今ほど帰れないコの数も多くなかったので、各職員宅に連れて行って過ごしたりもしたそうだけど、最近は帰れないコも多くなったので、発想を転換。

家庭にかなわないのは当たり前だけど、寂しいと感じさせないような居心地の良い家庭的な施設を目指すコトに。

昨日はそんな訳で、オードブルやお寿司など、普段食べられない食事を取りながらワイワイと過ごし、落ち着いた所で、ビンゴ大会。

事前に100円ショップで買い揃えた景品を我先に手に入れるべく、異常なまでに興奮して歓声を上げながら、ボクが発表する数字に耳を傾けていた。

子ども達は何故だかビンゴが大好き。

中にはなかなか数字が揃わずに泣き出すコまでいた。

準備不足のためBGMに適当なCDがなく、偶然発見したBBクイーンズのアルバムが、妙にほのぼのとした雰囲気をかもし出してくれた。

でも踊るポンポコリンって、いったい何なんだろう?!

そんなコトをふと思う余裕もなく、あっという間にビンゴ大会終了。

会場を片付けた後、食堂でコーヒーを飲みながらしみじみ想う。

子ども達が寂しさを忘れて、楽しい一時を過ごしてくれれば何よりだ。

あとは皆でテレビでも見ながらまったり過ごして、年越ししよう。

そんな平和で平凡な年越しのはずが・・・一人の子どもが突然の嘔吐!

水分を摂りながら様子をみていたけど、定期的に嘔吐を繰り返し、顔色はどんどん青白くなっていく。

検討した結果、後輩の保育士さんが付き添って、当番医の総合病院へ。

ボクは残ったコたちとの年越し。

残念だったのは、行く年来る年を見ながらのんびり除夜の鐘に耳を傾けるはずが、チャンネル権を子ども達に握られていたので、ジャニーズの番組での年越しカウントダウン。

趣も何にもなく何だかバタバタとしてたけど、まぁ楽しく年を越せた。

子ども達もしっかり夜更かしして楽しかったコトだろう。

ただ可愛そうだったのは、慌しい病院にて、気がつけば新年を迎えていたという後輩。

通院後、処方された吐き気止めの薬を飲んでも嘔吐は止まらず、下痢もあった子どもはもっと可愛そうだった。

今日、改めて小児科の緊急医に通院したはずなので、回復していれば良いのだけど。

今年も公私ともに色々あるだろう。

その都度、最善の方法を落ち着いて検討し、行動に移せる児童指導員であり、父でありたいものだ。

まだまだどちらも未熟なだけに、時には失敗もあり、トラブルも巻き起こるコトだろう。

でもだからこそ、どちらも飽きずにやりがいがあるってもんだ。

それにしても、南アフリカで年越ししたあの日から7年が経つなんて・・・。

一人ぼっちで旅してた無職のボクが、今や定職と家族に恵まれてるだなんて人生って全くおもしろい。

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2006/10/23

グループ旅行~想定内外の結果~

無事にグループ旅行を終えた。

旅行に行く前って色々とトラブルを想定していくけど、実際に行くと想定内や想定外が入り混じるからおもしろい。

ボクはよく歩き、よく走り、よく探し、よく運転し、よく話し、よく食べ、よく遊び・・・せっかくの楽しい旅行なんだから、とにかくよく怒らないコトを心がけた。

怒らないようにするには、子ども達一人ひとりの性格、行動パターンをよく理解し、しっかりと計画を立て、何より引率職員のチームワークが大切。

少人数の旅行なら臨機応変に、その場その時で適当に対応していけば良いけど、集団の引率となるとそれだけでは上手くはいかない。

今回の計画が成功したのは、一緒に引率してくれた職員の皆さんのおかげ。

でも信頼していたから、これは想定内。

日中に備えて、夜はよく寝ておきたかったけど、おねしょするコを何度も起こしたり、深夜に急激な首痛に襲われた引率職員のために病院を手配したり(深夜3時すぎに豊橋駅前を寝巻き、スリッパ姿で走り回った)・・・と、それはムリだった。

まぁ仕事の旅行なんで仕方ないし、これも想定内。

そして楽しみにしていた2日目の大井川鉄道は、想定外の混雑だった。

老若男女問わず、ホームで待つ人たちは皆、機関車の登場を待ち、心躍らせていた。

どこかで汽笛が聞こえたかと思うと、遠くでわずかに白煙が見え、小さな黒い塊が一気に大きな機関車となってホームに走りこんでくる光景は、想定外の迫力で、見慣れた電車のそれとは全く違った。

想定以上に興奮した子ども達は、我先にと停車した機関車へと乗り込んでいく。

石鹸ほどの石炭が一つ燃えると8センチ進むのだそうだ、そんな途方もない燃焼運動の繰り返しで機関車は、一生懸命に動き始め、走り続ける。

その一生懸命さに初めは感動するが、次第にそれは当たり前の感覚へと変わっていってしまう。

ちなみに一往復するだけで石炭を1トンも消費するそうだ。

もし機関車が最近の省エネ車に出会ったら、自分の燃費の悪さに自信喪失して、もう働かないって引きこもってしまうコトだろう。

でも良いんだよ。

君には君の良さがある。

ボクは倉庫に引きこもった機関車にそう言ってあげようと思う。2006_10220076_4

そんな妄想はさておき、機関車はまさに黙々と走り続けた。

紅葉は全くしていなかったのは想定外だったけど、大井川沿いに広がる茶畑は見ごたえがあり、昭和初期に製造されたというレトロな車内で、ボクはこの旅行計画に一人、満足し、酔いしれるのだった。

が、想定内ではあったけど、子ども達は30分程で飽き始めた。

酔いしれていたボクは、全開にした窓から入ってくるすすや埃に目をやられた。

車窓からのんびり景色を眺め、流れゆくその景色を楽しもうとしたが、とにかく目が痛くなる。

風下側の席に座るコたちも一同、目を痛がった。

想定外ではあったけれど、これは経験しないと分からないコト。

この迫力、目の痛み、汽笛の音、沿線の人たちが手を振ってくれ振り返す楽しさ、そうは言っても次第に飽きていく感覚、全てが実際に経験しないと分からないコト。

子ども達は今後、テレビや本で機関車と出会う度に、今日の経験を思い出すだろう。

それは別に詳しく思い出せなくたって良い。

小学生の頃、動く機関車に乗ったんだぞって、ただそれだけ思い出してくれるだけで良い。

実はボクも小学生の頃、親父に連れられて秋田かどっかで走る機関車(期間限定だったはず)に乗ったコトがある。

その詳しいコトは全く覚えていないけど、「機関車に乗った」という思い出はずっと心に残っている。

それで良い。

きっと親父は、子ども達を喜ばせよう、そして自分も楽しもうって今回のボクみたいに張り切って計画したに違いない。

だから、今回の旅行で何か一つでも思い出に残ってくれたらそれで嬉しい。

ただ楽しかったっていう思い出が残ってくれたらそれで満足。

心地良い疲れに全身を包まれながら、ボクは素直にそう思った。

2006_10220094_4

機関車に乗ってると、強制的に、銀河鉄道999を思い出してしまう。こんな機関車が空を飛んで、宇宙を旅するなんて、何てロマン溢れる物語なんだろう。旅行前に子ども達に見せておけば良かった!

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2006/10/20

グループ旅行

今週末は愛知、静岡に行ってくる。

毎年恒例、施設のグループ旅行、小学生を中心とした10名の引率責任者として。

基本的に予算内であれば、どんな交通手段で、どこで何をしてきてもOK。

もちろん限られた職員数で責任を持って子ども達を引率できるのなら。

1日目は、愛知県豊橋市にある「のんほいパーク」。

敷地内に動物園、植物園、遊園地、恐竜博物館、広い原っぱ・・・と何でもありなのに、公共施設だから入場料が安いっていう文句なしの便利スポットで、4年前のグループ旅行でも利用した。

その時は、公共交通手段を使って行ったのだけど、時間にしばられたり、大雨にやられたり・・・と反省も多い結果となった。

超ローカル線の飯田線や路線バス、そして2駅分だけ新幹線に乗ったりと、子ども達の社会経験を優先させたステキな計画だったけど、やはり集団、しかも協調性のない異年齢集団を引き連れて行くってのは大変だって実感させられたものだ。

就職2年目でまだまだ経験が浅かったボクが、全体をまとめきれなかったのも原因だったと思う。

今年で6年目となるボクは、その後それなりに経験を積んできた。

今回は10人乗りレンタカー2台を利用、のんほいパークはまぁ無難に楽しめるだろう。

目玉は2日目、静岡県の大井川鉄道に乗ってくる。

機関車が現存しており、しかも観光用として実際に常時使用されている大井川鉄道

ボクは別に鉄道マニアでも機関車マニアでもない。

でも合理的ではないモノや乗り物に惹かれるボクにとって、今回はかなり楽しみなのである。

子ども達にとっての「機関車」とは、市内の公園の隅に飾られている「動かない機関車」である。

「今回の旅行は動く機関車に乗るぞ~!」って言ったら、「ウソつくな~!」っていうリアクションが大半。

だってそうである、「機関車」なんて乗ったコトがないけど「昔の乗り物」で、今、走ってる訳がないのである。

何となくイメージは出来ても、どんな音がして、どんな風に走るのか、どのくらいスピードが出るのか、それは体感してみないと分からない。

当日、機関車を前にしてどんなリアクションをしてくれるか楽しみだ。

何てロマン溢れるステキな計画なんだろう、と自分に酔ってしまいそうになる。

が、そうは言っても乗っているうちに飽きてしまうだろう。

いかんいかん、酔うのは帰って美味しいビールを飲んでからにしよう。

集中力のなさや飽きっぽさは、感動的なくらいに素晴らしいコたちだから。

今回は、始発の新金谷駅から千頭駅までの1時間を機関車に乗り、帰りは普通の電車で戻ってくる計画。

事前予約しておいた駅弁も食べるし、何とか飽きずにいられるコトを祈りたい。

一人も切符をなくさないコトを祈りたい(いつも誰かが失くすから)。

一人も忘れ物をしてこないコトを祈りたい(いつも誰か何かを忘れてくるから)

そして何より、誰もケガすることなく、無事に帰ってこられるコトを祈りたい。

あとは・・・雨が降らないコトを祈りたい・・・。

天気さえ良かったらきっと紅葉がきれいに違いない!

紅葉の中、煙をあげて走る機関車、車内では目を輝かせる子どもたち・・・。

いや~それにしても何てステキな計画なんだろう・・・いかんいかん。

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2006/10/17

米作り

昨日は担当のコが通う小学校の参観日に行ってきた(勤務時間内♪)。

今回の参観内容は、総合学習というコトで、校外の田んぼの稲刈り作業(参加型参観!)。

春先の田植えから日々の水見、草取りなど全て子ども達が中心となって行ってきた。

6年生の彼らは、昨年に続き2年目なので手際良く作業を進めていたが、そうは言ってもやはり小学生なので、大人の力も必要になる。

担任の男の先生とお父さん一人(手際が妙に良いからこういう関係の仕事をしてるんだろう)、そしてボクが中心になって力仕事や高いところの作業を行った。

朝から3時頃まで作業し、全ての稲を干し終えた(当然、基本的には無言作業です)。

その後、夜まで仕事だったので大変だったけど、心地良い疲労感に包まれてボクは眠った。

翌日が何もない休みって何て幸せなんだろう。

ところで、ボクが小学生だった頃は、総合学習や生活科なんて教科はなかった。

親父の実家が大分で、当時は米作りもしていたと思うが、何しろ距離が距離なので、米作りはもちろん農業に触れる機会がないままボクは大人になった。

しいて言えば、高校生の頃、地元の大学生に混じり、りんごの収穫アルバイトをした位のものだ。

毎朝、りんご畑に囲まれた道を通って通学してたのに、りんごを作る大変さは全く知らない、そんな子どもだった。

でも今の世の中、農業に全く触れたコトがない大人の方が多いのではないかと思う。

米作りを全くしたコトもない大人が、ご飯つぶを残さずに食べなさい、お米を作るのは大変なんだから、と子どもに言っても妙に説得力がない。

そういう意味では、小学生のうちから授業で米作りを体験出来るってのは、長い人生を考えると幸せなコトだと思う。

今や家の手伝いで米作りをするコなんて限られてるし、もちろん都会の小学生だと全く農業に触れるコトもなく大人になるんだろう。

別に農業を実体験しなくても、立派な大人にだって親にだってなれるとは思うけど、でもやっぱり米作りの大変さを身を持って体験するってのは悪くないと思う。

田植えで泥に入った時のぬるっとひやっとしたあの感覚。

作業中、まだ残ってる量を見て絶望的な気持ちになる、でも大きな空を見上げ、さて頑張るかなって開き直るあの気持ち。

稲刈りで稲を干し終えた後の爽快感。

とはいえ、ボクはほんの一部分しか体験していない。

本当の苦労なんて全く味わっていないに違いない。

それでもご飯は何だか美味しく感じるし、残さないようにしようと思うし、お米を作るのは大変なんだよってちょっとは自信を持って子どもに言えるようになった。

体験、そして体感するってやっぱり幸せなコトだと思う。

そうそう、「ここがステキだ信州人シリーズ!?」の続きですが、信州人はやたらとバンザイします。

飲み会の最後にバンザイ!運動会でもバンザイ!結婚式でもバンザイ(もちろん自分の結婚式の時も)!

未だに妙な恥ずかしさを覚えながらバンザイしてます♪

この辺りもボクが信州人になりきれないトコなんだろうな。

前回の反響が大きかったんで、追加レポートでした♪

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2006/10/15

信州人

園の担当のコが通う中学校のPTA作業に行ってきた(勤務時間外・・・)。

年に1回実施される作業で、学校の窓拭きやら側溝の泥とり・・・など盛り沢山。

ちなみに小学校でも似たような作業があるから大変(~_~;)

ボクが配置されたのは学校周りの植え込みの草むしり&落葉拾い。

去年、埃まみれで大変だった側溝の泥取りよりはマシかな・・・なんて思いながら現場へ。

一緒に作業する親たちはボクより10歳近く上。

小学校の場合、低学年の親ならだいぶ年が近づいてきたけど、中学校はまだまだ年の開きがある。

そんな中にまぎれて黙々と作業するコト、1時間。

黙々、黙々、黙々・・・。

そう、この前、県民性を比較する番組でもやっていたけど、信州人といえば「無言清掃」。

掃除や作業する時に、一切おしゃべりしちゃいけないという古くからの習わしがある。

そりゃボクの故郷青森だって、掃除中にベチャクチャしゃべってたら先生に注意された。

でも何となく和やかに、時々ふざけたり手を抜きながら掃除してた記憶がある。

ここ信州は「無言で掃除をする」のが当たり前であり、当然、信州で育った親たちもそうなのである。

とにかく黙々と作業する。

沈黙に耐えかねたボクが話しかけても返答するのみで、決してそこからおしゃべりに発展するコトはない。

さすがに無視されるコトはないんだけど。

少しくらいおしゃべりしながらでも、きちんと手を動かしてりゃいいんじゃない?なんて思うのは、きっとボクだけなんだろう。

見上げると、木の枝にはまだ枯葉が沢山。

明日にはまた落葉でいっぱいになってるんだから、そこまできれいに掃除しなくてもいいんじゃない?なんてコトは決して口にしてはいけない。

冬になったら勝手に枯れるんだから、そこまで徹底的に草をむしらなくてもいいんじゃない?なんてコトももちろん口にしてはいけない。

余計なコトは考えず、黙々と無言清掃するコトで自分自身と向き合いなさい、なんて学校の先生は指導するんだろうか。

この辺りが真面目と言われる信州人の由来なのかもしれない。

根がいい加減なボクは、やっぱり根っからの信州人にはなれないようだ。

秋空の下、20人近くのおじちゃんおばちゃんが黙々と作業する中、ボクは一人、感慨にふけるのだった。

信州人と言えば、日記をつけてる人の数、犬の散歩をする回数も全国1位なのだと聞いたコトがある。

確かに嫁さんはやたら日記や記録を書きためるのが好きだし、嫁さんの実家では朝晩必ず犬の散歩をしていた。

ちなみにボクは日記が続いたためしがないし、実家で飼っていた3匹の犬はストレスでいつも吠えていた・・・。

義理の母は、我が家に来る度に黙々と草むしりをしてくれる。

信州人は草むしりする回数も全国トップクラスに違いない。

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2006/09/29

研修

残暑厳しく半袖半ズボンだったのに、ふと気が付けば長袖長ズボン姿。

1ヶ月間の研修が終わろうとしている。

最初の3日間こそ、時の経過が異様に長く感じ、先が見えない気がしたものだけど、後半はあっという間だった。

あっという間な気はするけれど、離れていた我が家の庭は草ぼうぼうになっていたし、久々に顔を出した職場の子たちは何だか妙に大人びて感じた。

確実に1ヶ月という時は経っていた様だ。

長野県児童福祉施設連盟による「職員交流研修」は、法人が違う施設の職員を一定期間、派遣し合い、そこで研修を行うというもの。

今年度から初めて実施した事業なので、前例は何もなく、自分の研修結果が前例となり、研修により今後実施していく上での課題を見出して報告しなければならない。

研修先は伊那市郊外にある児童養護施設。

数年前、敷地内に独立した1軒家を建て、そこで4歳から高校生までの子ども、6人が生活している。

そこでの研修が主で、研修2日目からは基本的にその全てを任されることとなった。

もちろん不安だったけどやるしかない。

食事作り(弁当作り含む)、買い物、掃除、洗濯、送迎、運動会や参観日の参加、書類関係、実習生指導、トラブル対応、もちろんその他にも遊んだり、ご飯を食べさせたり、お風呂に入れたり、寝かしつけたり・・・と生活支援全般を行う。

まさに異母異父である6人の子どもを育てる主夫生活。

休日には施設の特徴でもある稲刈りにも参加させてもらった。

まぁよく頑張ったなぁと自分でも思う。

でもいずれは、時代と共に複雑・困難化してきている子育ての専門家として、児童指導員、保育士、調理師、栄養士などという職種にこだわらず、オールマイティーな関わりを求められる時代が来るんだろう。

いや、もう来ているんだと思う。

そう実感させられる研修となった。

今日13:30から出勤しそのまま宿直、明日の14:00の退勤で研修終了。

新しい刺激を受けるって大切なコト、そこから何かを学び自分を更に高めていくのはもっと大切なコト。

実りの秋、生まれて初めての30代はまだ始まったばかりだ。

前日に仕込みして、早朝5時半から作った「しょうが焼き弁当」×3♪

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