先輩の結婚式の後、ボクは神戸から再び大阪へ。
前夜の2番目の弟、ヨースケに続き、この日は、3番目の弟ソータ&4番目の弟シローと会う予定に。
我が4兄弟、何だかんだで長男のボク以外、全員大阪在住なのである。
高校時代に調理師免許を取ったソータ。
高校卒業後、当時、海外を旅していたボクより先に、兄弟の中で誰よりも早く、社会人デビューした。
社会人としては、ボクにとって永遠の先輩という訳。
そして、末っ子らしく自由気ままに学生時代を過ごし、卒業後も職を転々とし、両親や兄貴たちを心配させ続けてきたのがシロー。
外見はともかくとして、内面的にはボクと一番似ている。
そんな弟二人との再会・・・
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再会の4日前、ソータは、店長として居酒屋を新規オープンさせた。
シローもそれまでの店から引き続いて、その店でソータと共に働いている。
閉店後に3人で飲みに行く約束をし、それまでは後輩とその店で飲むコトに。
オープン記念に「生ビールを何杯飲んでも100円」という企画を3日間やったらしく、相当な忙しさだったらしい。
ボクが行ったのは、そんなオープン期間を終えた土曜日。
繁華街からやや離れたオフィス街に位置するため、週末よりは平日営業重視の店。
週末は平日ほどの賑わいはない様。
そんな訳で、盛況とは言えない店内だったけど、落ち着いた雰囲気の中で料理と酒を味わい、久々に再会した後輩とも楽しい時間が過ごせた。
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店長のソータが厨房に入るコトはほとんどなく、料理長のおじさんと共にシローが料理を作っていた。
何だかそれだけで感動してしまったボク。
っていうか、弟が働く姿を見たのは、この日が初めてだった。
これまでの店にはなかなか行く機会もなく、今回、初めて、二人が働く店に足を運んだという訳。
弟が社会人として立派に働いている。
頭では理解していたけど、実際、目の前にするとやっぱり違う。
特に、長い間、定職に就かず、自由気ままな人生を歩んできたシロー。
それが今や、厨房に入り、真剣な表情で料理を作っている。
そんな弟を、温かくも厳しい表情で見守る、兄貴であり、上司でもあるソータ。
ただそれだけなのに、目頭が熱くなってしまう長男のボク。
兄貴にとって、何て贅沢で、幸せを感じられる店なんだろう。
そんな風に思いながら料理を待った。
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運ばれてくるどの料理も、本当に美味しかった。
中でも感動したのは、シローが任せられ、全て一人で作っているという、自信の一品「だし巻き卵」。
お世辞抜きに「美味い!」と思った。
色々な仕事をし、色々な出会いを経て、色んな場所に住み、色々失敗し、色々傷つけ傷つけられ、そしてたどり着いた街には二人の兄貴がいた。
そして兄貴と同じ職場で働くコトに。
兄貴に見守られ、きっと何度も失敗し、練習に練習を重ね、たどり着いた味。
料理って技術だけじゃなくて、そこに気持ちをどれだけ込められるかが・・・きっと大切。
末っ子のシローが作っただし巻き卵は、涙が出るほど美味しかった。
ごちそうさま。
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閉店後、3人で近くのお好み焼き屋へ。
行きつけの店らしく、二人はおばちゃんのコトを「お母さん」と呼んでいた。
そこで二人はたらふく飲んだ。
33年間、生きてきた中で、こんなにも酒を飲む人を、ボクは見たコトがない。
こんなにも酒に飲まれていく人を、ボクは見たコトがない。
こんなにも飲みながら泣いたり怒ったりする人を、ボクは見たコトがない。
衝撃的な酔っ払い二人の姿だった。
店内に響き渡る大声の津軽弁・・・
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二人で何度も口にしていたけど、同じ職場で兄弟が働くってのは、すごく大変なコトの様だ。
兄弟としての甘えがあると、周りに気を使わせてしまう。
兄弟だから言えるコト、言わなくても良いコト、言わなくても分かって欲しいコト、言わないと通じないコト・・・同僚である二人の間には、沢山の葛藤があるんだろう。
弟と同じ職場で働いたコトのないボクには、きっと理解が出来ない問題。
同僚として何度も言い争い、食い違い、怒って、泣いて・・・
じゃあ言わせてもらうけどさ・・・
おー!言えよ!
でも二人は、時々兄弟に戻る。
オレはソータのコト好きだよ・・・でも・・・
シロー・・・ごめんな・・・
何度もそんな一言を挟みながら、二人はラストオーダーを終えても「お母さん」にお願いし、酒を出してもらい、飲んで飲んで飲んだ。
そして最後は、ブチ切れたシローが金をテーブルに投げつけて店を出て行った。
二人はそれぞれ、ジョッキ15杯以上は飲んでいたと思う。
本当に不器用で、バカで、世話が焼けて、仕方がなくて、完全に酒に飲まれてて・・・でも実家から遠く離れた街で一生懸命生きている弟二人の姿。
飾らない姿を見せてくれたそんな二人を、ボクは何だか愛おしく思った。
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ボクは、ベロンベロンになってまともに歩けないソータを家まで送った。
本当に仕方ない弟だ。
でも、「シローごめん・・・」と何度もつぶやいていたソータ。
一年後に結婚予定の弟を気遣い、敢えて厳しく育てようとしているソータ。
不器用だけど立派な兄貴だ。
これからもシローをよろしく頼む。
酔っ払って家のカギを探せず、朝の9時までランニング姿で座り込んでいたと、翌朝、連絡してきたシロー。
本当に仕方ない弟だ。
でも、だし巻きの味を褒めたら、涙を流して喜んでいたシロー。
まだまだ料理人としては半人前なんだろうけど、心から美味しいとボクは思った。
想いのこもった、美味しいだし巻きをありがとう。
ボクがいたコトで、お互い安心して本音をぶつけ合い、何かが少しでも変わったのであれば、長男として嬉しく思う。
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今日もまた、同僚として二人は店に立っているコトだろう。
兄弟としての距離感を探りながら、でも店のコトを真剣に考えて働いているんだろう。
社員として、店の経営について本気で頭を悩ませているんだろう。
時には、あのお好み焼き屋で、閉店まで酔っ払うコトもあるんだろう。
あの「お母さん」は、必死で生きる息子の様な二人を、これからも温かく見守ってくれるんだろう。
がんばれよ、ソータ、シロー。
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そんな弟二人の店「六文銭」、そしてシローの「だし巻き卵」。
兄貴が自信を持ってお勧め致します(^-^)
お近くにお住いの方、大阪に行く機会のある方、みんぺ~の弟に会ってみたい方(笑)・・・ぜひお立ち寄り下さいませ♪
旬菜酒家「六文銭」
大阪市中央区南船場2丁目1番9号
06-6120-8787
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