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2010/06/08

YOU FOR ALL、ALL FOR YOU!~『函館に行こう』編~

数週間前の出来事。

中学時代、焼き鳥を食べながら通りすぎるのを待ったあの彼女から、突然、電話があった。

彼女から電話なんて来るのは何年ぶりだろう。

それ位、久々だった。

少し不吉な予感を覚えながら電話に出ると、言いにくそうに、だけどサラッと彼女は報告してくれた。

少し前、癌の宣告を受けたって。

大腸癌で進行状態はステージ4、肝臓にも転移してるから、近々、手術するんだ・・・って。

明るく、だけど泣きながらの報告だった。

「大腸癌」「ステージ4」「転移」と、自分にとって現実的ではない言葉を理解するのに少し時間が要った。

そして、現実として受け止めた時、ボクは涙が止まらなかった。

気の利いた言葉なんて何もかけてあげられなかった。

やりきれなさと自分の無力さが悔しくて堪らなかった。

電話を受けた時は勤務中で、児童相談所との話し合いもあったその日。

必死で正常を保つ努力をして仕事をこなしたけど、ボクは何度も何度も隠れて泣いた。

もちろん子どもにはバレない様に。

心配をかけてしまった何人かの同僚には申し訳なく思ってる。

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その日からボクは何度泣いたコトだろう。

何が出来るのか悩んだコトだろう。

遠く離れて暮らす旧友と電話で話し、悔しさと無力さを共有したコトだろう。

心が張り裂けそうになり、彼女のコトを全く知らない人に話を聞いてもらったコトだろう。

でも、どんなに悩んでも正解なんて分からなかった。

とりあえず会いに行ってこい。

お前の行動力なら楽勝だろ。

きっと何かの力になれるはず。

行動するなら早い方が良い・・・。

そんな何人かの言葉を受け、ボクは函館に行くコトを決めた。

手術がどうなるか分からないし、行って会える状態なのかも分からない。

でも決めた。

2週間後の平日2日間に休みの希望を出し、飛行機と宿の手配もした。

もちろん嫁さんの承諾を得て。

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何が出来るか分からない。

何も出来ないかもしれない。

でも何か出来るかもしれない。

彼女の承諾を得た後、ボクが知り得る彼女の友人たちに連絡をし、事実を伝えた。

彼女とも何度もメールのやりとりをし、ほんのわずかでも苦しみを共感しようと努力した。

それから数週間が経ち、函館行き当日に。

この間、手術を無事に終わらせ、なんと数日前に退院も済ませていた。

退院直後なのに大丈夫???と聞くと問題ないとのコト。

ボクが遠くから飛行機で来るコトを申し訳ないと言いつつ、喜んでくれた彼女。

出来れば普通に再会したかったね、そう言いながら。

だからボクは心に決めた。

普通に再会して、普通に話して、普通にサヨナラして来ようって。

そして絶対に泣かないって。

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彼女と再会するのは実に10年ぶり。

それだけでも緊張するのに、さて第一声はどうしよう。

どんな顔してどんなコトを話したら良いんだろう。

まぁ、会えば何とかなるだろう。

そう色々自分に言い聞かせながら、ボクは函館行きの飛行機に乗った。

つづく。

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