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2009/02/21

エール

先日、大学時代の後輩が我が家に遊びにきてくれた。

後輩と言っても、学科が別で3学年も下の彼とは、在学中、一度も会話を交わしたコトがない。

そんな彼と知り合ったのは、4年ほど前。

職場も地域も違うけれど、彼がボクと同じく「児童養護施設」に就職したため。

故郷が青森県のボク、故郷が長崎県の彼。

4人兄弟の長男であるボク、4人兄弟の長男である彼。

時こそ違えど、遠い故郷を離れた二人は、長野県にある大学の教育学部へ。

卒業後は教師という道を選ばずに、児童養護の世界へ。

そして長野県に残った二人。

ボクは、彼に妙な親近感を覚えた。

結局、数年後に退職し、実家へ戻った彼だったけれど、長野県を忘れられなくて、ママチャリで戻ってきた。

そんな突飛な行動を起こす「不安定」な彼に対して、ボクは更に親近感を覚えた。

10年ほど昔、ボクもまた、世界を歩いた後、小さな車に家財道具を詰め込んで長野県に戻ってきたから。

長野には「家」がないけど、行けば何とかなる。

そんな漠然とした自信だけで帰ってきた二人。

その後、幾つかの職や街を経て、長野県在住の彼だったけれど、結局、長崎に戻るコトに。

そんな連絡が入ったのは数ヶ月前のコト。

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アパートの契約が切れ、引っ越す数日前、彼はボクに会いに来てくれた。

離れる前に会って色々話したいからって。

ボクたちは、深夜まで飲み、延々と語り合った。

数日後には、無職で家もなくてホームレス?

いや、とりあえずは車上生活者だね。

・・・なんて笑って話しながら。

そんな状況なのに、彼は驚くほど、前向きで笑顔に溢れていた。

幼稚園の先生をやってみたいんですよね。

非現実的な夢を語るような口調で、そう話していた彼。

Conv0001そらちゃんと楽しそうに遊ぶ姿を見ていると、それもアリだなって思えた。

そらちゃんはよく懐き、酔っぱらった彼に何度も抱きつかれていた。

ビール臭いって言いながら・・・。

遊んでくれて、二人とも!?ありがとう。

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長崎に帰ると決め、アパートを出るコトを決心して会いにきた彼。

長野に沢山の居場所が出来ていて、離れがたい彼。

ボクとは少し違い、長崎にホントは帰りたくない彼。

親ともあまり上手くいっていない彼。

故郷をあまり好きにはなれていない彼。

でも、友達や先輩、後輩には恵まれている人望の厚い彼。

ボクは酔っ払いながら、繰り返し、彼に話した。

彼の持つ魅力を。

ボクが彼に抱く親近感を。

いつでも会いに戻って来て良い、と。

「ここ」にはキミの居場所がある、と。

かならず縁のある「仕事」に出会える、と。

不安定な時期があればこそ、「安定」を手に入れた時、楽しく幸せなんだ、と。

後半は、旅の話をしたりして、しばし現実逃避。

思い切って行方をくらましてしまおうか、と口にする彼に、それだけはやめておけ、と話しておいた。

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翌朝、洗面時に、コンタクトを割ってしまった彼。

不吉だし不幸な出来事だけど、そんなコトは感じさせないように、軽く聞き流した。

そして笑顔でサラリと見送った。

さよなら。

・・・数十分後、忘れ物をした彼が戻ってきた。

早速の「おかえり」だった。

そんな相変わらず「不安定な」彼に、またまた親近感を覚えた。

彼なら大丈夫。

何とかなる。

そして「縁」のあるボクたちは、離れてもまた会える。

そう思いながら、もう一度、彼を見送った。

さよなら。

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二日後、彼から驚きの知らせが届いた。

あの後、ダメ元でハローワークに行ってみたら、偶然、幼稚園教諭の募集をしていて、雇ってもらえそうだと。

しかもこのご時世に正規採用。

無職の車上生活者になる前日の出来事だった。

Conv0002 人生、分からないもんだ。

また会いましょう。

家族3人、「ここ」で待ってるから。

「そこ」が運命の場所になるか、また職歴が増えるのか、あとは自分次第。

家族3人、「ここ」で応援しています。

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