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2007/09/14

リキエップ

今から6年ほど前になる。

転職を機に、長野市から飯田市へと引っ越そうとしていた最後の日。

車で国道を走っていたボクは、コンビニの駐車場に座る彼を見かける。

一度、通り過ぎたけれど、不自然に大きなリュックと共に座る彼はヒッチハイカーに違いないと確信し、引き返して声を掛けてみるコトに。

彼は、初めてのヒッチハイクで、大阪から長野にやってきた6歳年下の大学生だった。

もし違ってたらボクは不審者か、単なる男好きと思われていたに違いない。

善光寺から1時間以上かけて歩いてきた彼は、交通量の多い国道沿いのコンビニで途方にくれて座りこんでいた。

とりあえず野沢温泉を目指しているという。

車内、話が妙に盛り上がり、結局、野沢温泉では温泉にも入らずに引き返し、引越し前で何もない自宅に泊めてあげるコトに。

大学の英文科で学ぶ彼は、当時まだ10代、目を輝かせながら夢中で夢を語っていた。

子どもが好きで小学校教師への夢を諦められない、だから教育学部への編入を考えている、そして旅が好きで日本中を、世界中を旅してみたい・・・って。

その後も連絡を取り合った彼とは、数年後に大阪で再会し、結婚式にも招待するまでの仲に。

そして昨日、結婚式以来3年ぶりとなる再会を果たした。

あの偶然の出会い以降、3回目の再会となる。

Conv0009彼は、初めての出会いでボクが語ったという話を沢山覚えていて、嬉しそうに話してくれた。

当時のボクは、少なからず彼の人生に影響を与えていた様だった。

3ヶ月間、駒ヶ根市にある訓練所で訓練を積んだ彼は、約2週間後、太平洋に浮かぶマーシャル諸島共和国にいる。

海外青年協力隊の小学校教師として赴任するのは、人口約500人、水道なし、電気は利用量が限られる太陽光発電のみという島「リキエップ」。

その島へ教師として赴任する協力隊員は、彼が二人目。

使用言語はマーシャル語と英語。

作物が育たないマーシャル諸島では、食糧の約90%がアメリカからの輸入で、食事は缶詰ばかり。

野菜は非常に高価で、白菜が10ドルもするらしい。

さらに首都がある島から離れた、彼の赴任地リキエップでは、商店が1軒しかなく、飛行機も週に1便しかないため、不足した食糧は海から採らなくてはならない。

釣竿やモリで・・・。

冷蔵庫がなく保存が出来ないので、採りすぎた海の幸は島民皆で分け合って食べる。

そんな感じの生活が待っている・・・らしい。

観光のために短期間だけ滞在するのとは訳が違う。

任期は2年、島で暮らす子どもたちへ、そして免許がなくても勤まるという島の教師たちへの教育支援が、彼の役目。

Conv0010訓練所を眼下に見下ろす、大好きなこの場所で、ボクたちは2年後の再会を誓った。

そこから見える南の空の、向こうの向こうの、更に向こうの空の下へと旅立つ彼。

遠く離れた、聞いたコトもなかった南の島で、彼はどれだけの経験を積み、どれだけ大きな男になって帰ってくるんだろう。

島でどんなコトをして、島に、島の人たちの心の中に何を残してくるんだろう。

Conv0008 任期を終えて帰国した彼は、どんな人生を送るんだろう。

2年後の彼に会うのが、今から楽しみで仕方ない。

ガンバレ!

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